機械翻訳の訳文を採点し、自分の品質チェックの手順と用語集を作る
機械翻訳の訳文で見落としやすい誤りを自分の手順で拾い、訳文の品質を根拠つきで説明できるようになる。
- 所要の目安
- 3.9時間
- 7手順・分けて進めて構いません
- 費用
- 0円
- 新しい契約や有料講座は不要
- 手元に残るもの
- (1)誤りの型と件数の表、(2)後編集で必ず見る箇所のチェックリスト、(3)用語集、(4)別の段落で試したときの見落とし件数。この4つが手元に残ります。
始める前に
必要なもの
- ・翻訳の実務経験があるか、2つの言語で文書を読み比べられること
- ・機械翻訳や生成AIを使える環境(無料枠で足ります)
- ・表計算ソフトが使えること
- ・依頼者の原稿は使いません。対訳を確かめられる公開文書で行います
費用の前提
無料の範囲で完結します。機械翻訳や生成AIの無料枠と、表計算ソフトがあれば足ります。翻訳支援ツールの有料版を契約する必要はありません。
機密情報を使わずに試すには
自治体や公的機関が日本語と英語の両方で公開している案内文(手続きの説明、施設の利用案内など)から、数字・条件・固有名詞を含む段落を15〜20文ほど選んでください。公開されている訳文を答え合わせに使います。ただし公開されている訳文そのものが正しいとは限らないので、食い違った箇所は原文を根拠に自分でも判断してください。
手順
1原文を1文ずつ表に並べる
目安 25分選んだ原文を1文ずつ表計算ソフトの行に分け、隣の列に公開されている訳文を置きます。文の区切りを揃えておくと、あとで誤りを数えやすくなります。
2機械翻訳にかける
目安 20分原文を機械翻訳か生成AIにかけ、訳文を3列目に1文ずつ貼ります。指示の出し方で結果が変わるので、使った道具と指示文もメモしておいてください。
3誤りに型の印をつける
目安 60分1文ずつ原文と機械翻訳の訳文を読み比べ、誤りがあれば型を付けます。数字・日付・固有名詞の取り違え、否定や条件の読み違い、用語の不統一、訳抜け、語調のずれなど。公開訳と食い違っても誤りとは限らないので、原文を根拠に判断してください。
4型ごとの件数を数え、危険度の順に並べる
目安 25分型ごとに件数を数え、「誤ると読み手が損をする」ものから順に並べます。件数が少なくても、数字や条件の取り違えは上に置きます。この順番が、後編集で先に見る箇所になります。
5必ず見る箇所のチェックリストを作る
目安 40分危険度の高い型から、「何を、どう確かめるか」を1行ずつ書きます。「原文の数字と訳文の数字を1つずつ突き合わせる」「否定語と条件の語が訳に残っているか見る」などです。
6用語集を作る
目安 35分同じ語が文ごとに違う訳になっていた箇所を拾い、原語・採用する訳語・理由を表にします。用語集があると、機械翻訳への指示にも、自分の後編集にも使えます。
7別の段落で試して、見落としを数える
目安 30分演習に使っていない段落を10文ほど選び、チェックリストと用語集を使って後編集します。そのあと1文ずつ見直し、チェックリストで拾えなかった誤りが何件あったかを数えてください。
できたかどうかの確かめ方
- 数字・日付・固有名詞の取り違えを、すべて拾えたか
- 別の段落で試したとき、チェックリストで拾えなかった誤りが何件だったかを言えるか
- 用語集の訳語を選んだ理由を、依頼者に説明できるか
- チェックリストを見た別の翻訳者が、同じ確認を再現できるか
注意
- ・依頼者の原稿を、契約で認められていない社外のサービスに入れないでください。演習は公開文書で十分です。
- ・機械翻訳の品質は、言語の組み合わせ・分野・文書の種類によって大きく変わります。このガイドは品質がどれだけかを示すものではなく、自分の手元で誤りを数えるための手順です。
- ・契約書・特許・医療など、誤りが責任につながる文書では、チェックリストを通しただけで納品しないでください。その分野の判断は、このガイドの範囲の外です。