日本では、希望退職と採用の絞り込みに表れる
AIを理由にした解雇の発表は少なくても、仕事が減る動きは起きています。希望退職の募集、新卒採用の絞り込み、配置転換、取引先の倒産。企業の実例と公的統計で何が起きているかを整理し、いまできることにつなげます。
記録の最終更新:2026-09-10/指標は公的統計の公表にあわせて自動で更新しています
四半期ごとの推移
記録した件数と、その内訳です。件数は当サイトが確認できた分なので、世の中で起きた件数ではありません。増減をそのまま「AIの影響が強まった/弱まった」とは読めません。
- 2026年 7月〜9月5件
- 採用の抑制1
- 調査・統計4
- 2026年 4月〜6月6件
- 業務の自動化2
- 調査・統計4
- 2026年 1月〜3月4件
- 配置転換・再配置1
- AI関連での採用増・リスキリング2
- 調査・統計1
- 2025年 7月〜9月1件
- 調査・統計1
- 2025年 4月〜6月1件
- 人員削減1
- 2022年 1月〜3月1件
- 調査・統計1
月ごとではなく四半期でまとめています。日本の記録は月1〜4件で、 月単位に割ると変化として読み取れないためです。記録が増えたら月次に切り替えます。
影響は、職種より先に「入口」へ出る
米国の給与計算データを使ったスタンフォード大学の分析では、AI露出度が高い職種で働く22〜25歳の雇用が、露出度の低い職種の同年代に比べ約19%低い水準にあります(2026年6月時点)。2025年7月時点では15%で、差は広がっています。一方で、経済全体に及ぶ置き換えは確認されていないとしています。
減っているのは既にいる人ではなく、入ろうとする人の側です。日本で人員の縮小が解雇ではなく新卒採用の絞り込みとして現れることと、方向が一致します。
日本で近いのは大卒求人倍率(各年3月卒)で、2026年は1.66倍。2025年は1.75倍でした。
この2つは同じ数字ではありません。日本には職種をAI露出度で分けた若年層の統計が無く、大卒求人倍率は景気や人口構成の影響を含みます。 米国の分析も、著者自身が「記述的なパターンであって因果推定ではない」と明記しています。日本でも19%下がっている、とは読めません。
この見方をめぐる予測と発言を見る日本での現れ方
人員削減
1件日本ではほとんど発表されません。あってもAIを理由として挙げないのが通例です。
パナソニックHD、間接部門を中心に1万人を削減 黒字下での構造改革
パナソニック ホールディングス2025年5月9日AI関係:確認できず10,000人
配置転換・再配置
1件解雇はせず、業務そのものを減らして人を別の部門へ移す形。日本で最もよく見られます。
みずほFG、AI活用で事務職の業務を10年で最大5,000人分削減へ 解雇はせず営業などへ再配置
みずほフィナンシャルグループ2026年2月27日AI関係:明示
採用の抑制
1件既にいる人は減らさず、入口を狭める形。求人倍率の低下として統計に出ます。
「AI活用が進めば新卒採用は減る」と見込む企業が約4割 人事担当779人調査
日経ビジネス2026年7月23日AI関係:明示
業務の自動化
2件人を減らすとは言わずに、業務を機械に移す形。人員への影響は後から出ます。
川崎重工の屋内配送ロボット、西神戸医療センターで運用開始 置き換えたのは人ではなく老朽化した配送設備
川崎重工業2026年4月1日AI関係:関連可能性
みずほ証券、自律型AIエンジニア「Devin」を本格運用 国内の大手金融で初の大規模導入
みずほフィナンシャルグループ2026年4月AI関係:明示
AI関連での採用増・リスキリング
2件減る側だけでなく増える側も記録します。片方だけを見ると実態を誤ります。
みずほFG、AI開発の専門人材を400人体制へ倍増 3年で最大1,000億円を投資
みずほフィナンシャルグループ2026年2月AI関係:明示200人
サイバーエージェント、既存業務の約6割削減を目標に 6,200人が生成AIのリスキリングを受講
サイバーエージェント2026年1月AI関係:明示
調査・統計で見えていること
個別の企業ではなく、まとまった調査から分かることです。
デザイン業の倒産が14年ぶり高水準 上半期40件で前年の2.7倍 東京商工リサーチは生成AIによる内製化を要因に挙げる
東京商工リサーチ2026年8月2日AI関係:強い関連
事務職の有効求人倍率は0.35倍 全体1.01倍・介護3.70倍との差が示すもの
厚生労働省2026年7月31日AI関係:関連可能性
国、AI時代の公務員人材改革プランを公表 「AIによる代替」を論点に挙げつつ新卒採用は強化する方向
内閣官房内閣人事局2026年7月28日AI関係:明示
情報サービス業の倒産、上半期166件で10年間の最多を更新 東京商工リサーチは生成AI・ノーコードの普及を逆風に挙げる
東京商工リサーチ2026年7月14日AI関係:強い関連
キャリア採用業務で生成AIを利用する企業が28.7% 面接は人が担うとの回答が75.3%
学情2026年6月15日AI関係:明示
国内企業の34.5%が生成AIを活用 1万312社への調査、「若手が育たなくなった」との回答も
帝国データバンク2026年5月14日AI関係:明示
経団連、HR部門のAI活用で報告書 「AIは人間の意思決定のサポート」を大前提に置く
日本経済団体連合会2026年4月14日AI関係:明示
東京商工リサーチ調査、生成AI活用企業の53.4%が人員配置・抑制の見直しを検討
東京商工リサーチ2026年4月AI関係:明示
厚労省調査、AI導入は事業所の31% 一方で人手「不足」超過は+49ポイントと高止まり
厚生労働省2026年3月30日AI関係:明示
総務省「令和7年版 情報通信白書」、日本の生成AI利用率は26.7% 米国68.8%・中国81.2%と差
総務省2025年7月AI関係:明示
自動化技術による代替可能性は平均46.7% 労働政策研究・研修機構が2万7千人調査
労働政策研究・研修機構(JILPT)2022年3月31日AI関係:関連可能性
生き残るために、今日からできること
対策をすべて見る費用がかからない順に並べています。
自分の業務を、置き換わる側と残る側に分ける
同じ職種でも、入力・転記・集計のような決まった手順の業務は置き換わりやすく、判断や調整、人と向き合う業務は残りやすい。まず自分の担当業務がどちらに多いかを確かめます。
費用:無料/目安:10分
置き換わる業務を、自分でAIに任せてみる
AIに仕事を取られる側ではなく、AIに仕事を渡す側に回ります。手順つきのガイドを用意しています。架空のデータで試せるので、会社の情報は使いません。
どれも無料。時間は手順の目安です。
次の道を、費用の低い順に比べる
独学、社内で役割を変える、講座、転職。いきなり転職や有料講座に進まず、失うものが少ない順に、必要な経験・費用・注意点を比べます。
講座を選ぶなら、国の教育訓練給付制度(厚生労働省)(外部サイト)で受講費用の一部が支給される場合があります。雇用保険の被保険者期間など、受給の要件がある。要件は公式で確認すること。情報の確認日:2026-08-15
どれも仕事を失わないことを約束するものではありません。ガイドの時間は手順を試すための目安で、仕事がどれだけ速くなるかを測った数字ではありません。