SAPは2024年1月、全従業員の約7%にあたる8,000の職務を対象とする再編を発表しました。AIを軸とした成長分野への投資シフトが背景とされています。ただし同社は、対象の多くを社内での再教育と希望退職で対応し、成長分野での採用によって2024年末の従業員数は発表時点と同程度になる見込みだとしていました。教育には約1億ユーロを投じるとされています。
ウォルマートも似た構造です。2025年11月、経営陣はEC出荷量の50%超が自動化された拠点を経由していること、新規のソフトウェアコードの40%はAIが生成または支援したものであることを明らかにしました。同時に、今後3年間は世界の従業員数を約210万人で横ばいに保つ見込みだとしています。CEOは「我々の持つすべての職が何らかの形で変わる」と述べました。
総数が変わらないことと、何も起きていないことは違います。減る職種と増える職種が入れ替わっているとき、影響を受けるのは総数ではなく個人です。今いる部署がなくなり、別の技能を求められる、という形で影響が出ます。
増加側の動きも数字で確認できます。Indeedの調査部門Hiring Labが2026年7月に公表した分析によると、米国のデータセンター関連の求人は過去2年で2倍以上に増えました。求人全体に占める割合は1,000件あたり6件で、2023年5月時点の2件から増えています。最も多いのは設備・保守の職種で全求人の約4分の1を占め、賃金はデータセンター以外と比べて42%高いとされます。
AIのための計算資源を用意する投資が、ソフトウェア職ではなく設備・保守や建設の需要を押し上げている。これは「AIで仕事がなくなる」という一方向の話には収まりません。
当データベースでは、減少方向の事象と増加方向の事象を同じ基準で収録しています。削減だけを集めると、サイト全体が実態より悲観的な像を描いてしまうためです。
本記事は AI失業.com 編集部が、イベントデータベースに登録された情報をもとに作成した解説です。 元になったイベントの一次情報・信頼度・AIとの関係の判断根拠は、下記の詳細ページで確認できます。