総務省が2025年7月に公表した「令和7年版 情報通信白書」によると、個人の生成AI利用率は日本が26.7%でした。同じ調査で中国は81.2%、米国は68.8%、ドイツは59.2%です。日本は主要国のなかで明確に低い水準にあります。
企業側でも、生成AIの活用方針を定めているのは49.7%にとどまります。前年度の42.7%からは上昇していますが、半数に届いていません。
この数字は「日本ではAIによる雇用への影響が小さい」という話に使われがちです。しかし東京商工リサーチが6,327社を対象に行った2026年4月の調査では、生成AIの活用を進める企業のうち53.4%が人員配置・抑制の見直しに何らかの影響があると回答しています。内訳は配置転換の可能性が28.9%、従業員数を抑制する可能性が16.1%です。
規模による差も大きく、大企業で「配置転換の可能性がある」と答えたのは46.7%、中小企業では26.6%でした。導入が進んでいる層では、すでに人員をどうするかが検討課題になっているということです。
日本で影響が見えにくいのには制度的な理由もあります。日本では解雇に法的な制約があるため、影響は人員削減という形よりも、配置転換や新規採用の抑制という形で出やすくなります。数字として表に出にくいぶん、気づいたときには選択肢が狭まっている、という順序をたどりやすい構造です。
導入が遅いことは、猶予であって免除ではありません。他国で先に起きた変化を観察できる立場にある、という読み方のほうが実務的だと考えています。
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